失ったもの

正確には持ってはいるけど使っていいものかどうか分からなくなってしまったもの。誰かを好きになったり、何かを痛く可愛く思ったり、その感情の出所をかつてはよく知っていた。よく知っていると思っていただけかもしれないが、自身に納得できるレベルで出所を真摯に受け止めていた。現在、長年勤めた職場を辞めて約1年。昔は、一人で事務所を開いて働いていたこともあった。兎に角、色んな価値観が疑わしく思えて仕方がない。ある人は言うかもしれない。「暇すぎるんでしょう。きっと。」そうかも知れない。なら、尚更、暇なうちに決着をつけたい。失敗を怖れて尻込みするのでなく、何故そこに行きたいかがクリアに見えないから。行き着いた先で私は何を得たいのか? 友人と企画中のゲームプランがある。幾つかのハードルがあるが、乗り越えられると思う。最大の難関は自分の中のこのモヤモヤ。ゴールに近づく程に抵抗が増す。価値観同士を繋いでいた回路が寸断されてしまっているからだ。新しく繋いでゆけるという醍醐味のみに身を委ねられたらどんなに素晴らしいだろう? これこそ新天地と呼べるものじゃないんだろうか。前の自分に戻れないかもという不安があるのかも知れない。戻ると新天地、なんと相反したことか。やはり、新しいことを恐れている? これからこの恐れ自体をゆっくり確実に手放していこう。